GLIN Impact Capitalはどのようなスタートアップに投資を行うのか?

GLIN Impact Capitalは、日本と世界におけるインパクトスタートアップとインパクト投資エコシステムの発展に貢献したいという想いから2020年に創業されました。「より持続可能な資本主義の構築」をミッションとして、国内外の未上場企業・スタートアップに対してインパクト/ESG投資を実行し、投資先企業が社会的ミッションを追求しながら持続的に成長と企業価値向上を実現していけるよう支援を行っています。
今回は改めてGLINがインパクト/ESG投資ファンドとしてどのようなスタートアップに投資を行うかについて紹介したいと思います。

1. 投資先スタートアップのセクター

GLINは、日本をはじめ先進国の社会課題を解決するインパクトスタートアップに投資をしています。具体的には以下のような社会課題領域に注目しています。

  1. メンタルヘルス・健康
  2. 女性の社会進出
  3. ソーシャルインクルージョン・多様性社会
  4. 環境問題
  5. 少子化
  6. 高齢化
  7. 農業・食料廃棄

このような課題に特に注目する背景として、GLINが日本発のインパクト投資ファンドとしてグローバルに活動するなかで、日本が世界に対して遅れている社会課題・進んでいる社会課題に取り組むスタートアップに対して貢献できることがあるのではないかと考えているためです。

たとえば上記の1~3の分野では日本が世界に遅れている課題、また5~7の分野では日本が世界に先駆けて直面していることを表すデータが多くあります。4の環境問題については、日本は国際的な場で化石賞を受賞するなど、エネルギーの多くを火力発電に依存しているという意味では世界に遅れをとっていますが、一方で世界に先進するクリーンテックに関する技術も多くあります。

GLINのグローバルリソースを活用し、日本が世界に遅れている課題に取り組むスタートアップに対してグローバルナレッジを活用して事業展開をサポートし、日本が世界に先進している課題に取り組むスタートアップに対しては将来的に日本の成功モデルを基に世界で課題を解決していくことをサポートしたいと考えています。

2. 投資先スタートアップのステージ

GLINはミドル・レイター期のスタートアップに出資しています。これまでGLINの投資活動においては、シリーズB~プレIPOラウンドのスタートアップに出資を行いました。一方で、これまでシードやシリーズAのスタートアップには出資を行っていません。

GLINは、ファンドの投資戦略を策定する際に多くのインパクト起業家の方々や、アクセラレーターの方々にヒアリングを行いました。その結果、GLINが考えるインパクト投資や投資後の支援においては、ミドル・レイター期のスタートアップに親和性があることから、このようなステージにフォーカスを設定しています。

GLINチームの投資後支援のケイパビリティは、インパクトスタートアップがPMF(プロダクトマーケットフィット)を超えて成長を加速するステージや上場後に更に大きく成長していくステージにおいて、事業とインパクトの両立を持続していくことの出来る事業戦略策定や体制構築であったり、GLINの海外ネットワークを活用した事業展開・拡大にあります。代表パートナーの中村がインパクトIPOワーキンググループ会合に委員として参加していますが、インパクトスタートアップが未上場企業から上場企業となり、株主を始めとしたステークホルダーが大きく変わるタイミングで、上場後の新たなステージにおいてもインパクトと事業の成長を追求できる体制の構築支援にも力を入れています。

そのため、1号ファンドにおいてはこの様なステージの企業に出資を行っています。

3. 地理的観点

我々は日本と海外(主にアメリカ)の未上場企業に対して投資を行っています。

日本のインパクトスタートアップに出資する際は、日本の社会課題を解決するスタートアップが将来的にグローバルに事業を拡大し、世界の社会課題を解決することを支援したいと考えています。

また、海外(主にアメリカ)のインパクトスタートアップに出資する際は、私たち自身もファンドとしてグローバルの社会課題解決・インパクト投資の発展に貢献したいと考えていますし、その実践を通じて培った知見とネットワークを日本のインパクトスタートアップに還元したいと考えています。

4. 財務リターン

GLINはマーケットレートのインパクト投資家、すなわち通常のVCやグロース投資家と同じレベルでの財務リターンを求めながら、社会的インパクトを創出するスタートアップに投資を行っています。

私たちがインパクト投資ファンドとしての投資戦略を検討していた際、日本の多くの経済・金融界の方々にヒアリングを行いました。その際に強く印象に残っているのが、「インパクト企業・事業は儲からない」と考えている方々が多くいらっしゃったことです。私たちは、それは事実ではないと考えています。事業成長とインパクト創出に正の相関がある企業に出資を行う限り、インパクト企業への出資は財務リターンとインパクト創出を両立できるはずです。私たちは、この「インパクト企業・事業は儲からない」という考え方をまず払拭したいという想いで、1号ファンドではマーケットレートのインパクト投資家としての実績・実例を創出していくことに注力しています。

その結果、インパクト投資のメインストリーム化を促進し、経済外部性を包括した金融や事業の評価判断が当たり前となる世の中への変遷に貢献出来ると考えています。そして私たちのミッションである、インパクトスタートアップが繁栄し、経済発展と共に自律的に社会課題解決がなされる社会が構築されると考えています。

5. まとめ

今回の記事では、GLINのインパクト投資に関して、どのようなアングルで行っているのかをセクター、ステージ、地理、財務リターンの角度からご紹介しました。

今年に入り、GLINをサポートしてくださる皆様のおかげでファンドレイズがクローズし、投資活動を加速させています。弊社からの出資にご興味がある企業の方は是非一度お話ししましょう。お問合せフォームからのご連絡もお待ちしています。