経済成長と共に自律的に
社会課題が解決される社会の実現
気候変動対応
気候変動とサステナビリティ経営の関連
気候変動は世界共通の重要課題
昨今、気候変動は世界的に重要な環境課題であると認識されています。世界経済フォーラム(World Economic Forum)によって毎年発行されているGlobal Risks Reportにおいても、気候変動に関連したリスクは、深刻な課題として位置づけられています。2021年までの同報告書では、グローバルリスクが、発生可能性及び影響の大きさの観点から順位付けされています。2011年以降、継続して気候関連リスクがランクインしています。
さらに、評価基準が重要度に整理された2022年以降でも、今後10年間の重要なリスクの上位の大半を、気候関連リスクが占めました。
参照(1)WEFによる2007~2021年のグローバルリスクランキング
出典:WEF The Global Risks Report 2020 (2007年~2020年分)及び2021を基にGLIN作成
参照(2)WEFによる2007~2021年のグローバルリスクランキング
出典:WEF The Global Risks Report 2020 (2007年~2020年分)及び2021を基にGLIN作成
世界各国で進む開示・排出量算定ルールなどの厳格化
近年の環境課題に対する認識の高まりを背景に、COP1等の国際政治で気候変動に対する取り組みをより野心的に求める声が高まり、各国・地域でも、企業を対象とした情報開示や炭素排出量算定ルールの策定・厳格化等が進んでいます(以下に例示)。
- 日本では2023年1月に、「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正により有価証券報告書において「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄が新設され、気候変動を含むサステナビリティ情報の開示が求められることとなった2
- 国際的には、2023年に国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)がTCFD3等のサステナビリティ開示フレームワークを統合したIFRS4サステナビリティ開示基準を開発・公表5。気候変動についても、気候シナリオ分析やScope3排出量の開示を含むIFRS S2で開示基準が示された
気候変動に関する様々なリスクに直面する企業
気候変動をめぐる先述のような状況のなか、企業は、例として気候変動に関連する以下のようなリスクに直面しています。
- 厳格化が進む情報開示・排出量算定等の法制度対応に「対応しない」ないし「対応が不十分である」ことによる罰金などのペナルティを被るリスク
- 炭素排出量算定において、自社の事業範囲のほか、サプライチェーン上の排出量の算定も必要とされており、取引先からの要請に対応ができない場合に、取引停止となるリスク
- 事業の性格や活動地域によって、生産設備や事務所、ならびに原材料やエネルギー等の調達先が気候変動を原因とする異常気象や海面上昇等の影響を受けるリスク
企業価値向上にも繋がりうる気候変動対応
企業にとって、気候変動は新たなビジネスの機会となり得るという側面もあります。実際に、CDPといった格付機関やTCFDのような開示フレームワーク等でも、気候変動の機会の側面を捉え、自社の経営戦略にどのように考慮しているかという点が取り扱いされています。昨今はGHG排出量削減等の行動を含む、組織の全体的な事業戦略の一側面と位置づけられる移行計画の策定を求める流れも各国・投資家間で広がっています。そのため、企業は、気候変動を、リスク対応の文脈で捉えるのみならず、事業機会と捉え経営戦略に反映していくことが期待されています。
GLINによる気候変動関連支援の特徴
- GHG排出量算定、目標・戦略策定から情報開示までの領域を幅広くカバー
- GLINは、様々な気候変動関連対応のうち、GHG排出量算定から削減目標・移行計画の策定・実行、情報開示まで、幅広い領域を支援することが可能です。企業のビジネスモデルや割けるリソースによって気候変動対応の状況や手順は一概に定められるものではありません。そこで、GLINでは、それぞれの取り組み・領域に対して、企業の状況に合わせたテーラーメードな支援を実施します。
- 事業戦略の要素も念頭に置いた気候変動対応を支援
- GLINでは、インパクト/ESG投資家としてのノウハウも活用しながら、企業価値向上に繋がりうる気候変動の取り組みを支援します。単なるリスク対応のみならず、ファイナンスや戦略的な要素も取り入れることで、企業価値向上に向けた取り組みを後押しすることが特徴です。
参照(3)GHG排出削減を行う経営上の意義とベネフィット(例)
出典:環境省(2023)「SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブック(2022年度版)」を基にGLIN作成
GLINによる支援の流れ
GLINの気候変動対応支援では、事業に与える気候関連リスク・機会や自社のGHG排出量を把握したのち、事業等の状況に即して削減目標や削減計画を策定することで、企業の持続的な成長の実現を目指します。
そのほか、気候変動対応と関連する支援として、ウェブサイトでの開示、ESG評価機関(CDP・FTSE等)対応、インパクト評価でも実績があります。是非、下記のお問い合わせからご相談下さい。
専門家のご紹介
マネージャー
寺田 龍平
メガバンクでキャリアをスタートさせ、その後ブティック系ファームにてESGコンサルティングに従事。MSCI、FTSE等のESG評価向上支援のほか、PRI年次報告、ESGに関連した社内方針・KPIの策定等に関するコンサルティングを幅広く経験。CDP気候変動質問書ではスコアリングパートナーとしてスコアリングとコンサルティングの両方を経験し、その知見を活かした気候変動関連のコンサルティングを提供。
- 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国会議 ↩︎
- 金融庁 https://www.fsa.go.jp/news/r4/sonota/20230131/20230131.html ↩︎
- 気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
↩︎ - 国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)
↩︎ - IFRSは2023年6月23日にIFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」IFRS S2号「気候関連開示」の2つの開示基準を公表した。 ↩︎