経済成長と共に自律的に
社会課題が解決される社会の実現

持続可能なサプライチェーン構築支援

企業活動が国際化・複雑化する中、サプライチェーンにおける人権や環境のリスクを管理し、持続的な事業活動を推進することが求められています。サプライチェーンの持続可能性を高めることで、自社の事業活動による外部不経済を軽減するだけでなく、調達の安定性を確保し、競争性を高めることに繋がります。持続可能なサプライチェーン構築は、企業や組織が社会的責任を果たし、環境への負荷を軽減し、長期的な価値を創出するために重要な取り組みです。

また、サプライチェーンの持続可能性を確保する企業の責任は、日本を含め、あらゆる国・地域において義務となりつつあります。投資家等が求める情報の透明性や、サプライチェーンを通貫したリスク管理の要請に応えることは、サプライチェーンを持つ全ての企業にとって重要になっています。

(2024年4月時点)

持続可能なサプライチェーンとは

持続可能なサプライチェーンとは、環境配慮や人権尊重が製品・サービスのライフサイクルを通じて完全に統合された、強靭性と透明性の高いサプライチェーンを指します。

GLINでは、真に持続可能なサプライチェーンは3つの要素を兼ね備えていると認識しています。

  1. 外部不経済の徹底的な圧縮
    外部不経済とは、企業の事業活動が社会全体に及ぼす負の影響を指し、環境汚染や人権侵害などが含まれます。これらの問題は、企業の事業活動によって引き起こされ、結果として社会全体の経済的負担となります。「持続可能なサプライチェーン」は、こうした外部不経済を引き起こすリスクを管理することで、事業活動による外部不経済を限りなくゼロにすることを目指します。
  2. サプライチェーンを通じた透明性と説明責任
    重要なステークホルダーに対する説明責任を果たすことを前提に、サプライチェーンデューデリジェンスの実施、トレーサビリティの確保、リスク管理制度構築等を通じ、製品・サービスのサプライチェーンの透明性を確保・担保します。サプライチェーンの状況に対して責任を負う姿勢を明確にすることで、サプライチェーン管理の実効性向上や、ステークホルダーとコミュニケーション円滑化に繋がり、自社への信頼を高めることになります。
  3. 強靭性と競争性の追求
    サプライチェーンの持続可能性は、結果的に事業の強靭性や競争力を向上させます。サプライチェーンリスクを把握・管理することで、外部不経済の圧縮だけでなく、原材料コスト、サプライヤー切り替えコスト、法令違反によるペナルティといった内部不経済の解消にも繋がります。さらに、品質管理の向上、環境・人に優しい供給網の開発、サプライヤーとの関係性改善、サステナビリティを意識する顧客・取引先からの推奨など、様々な観点における差別化を実現できます。

これら3つの要素を追求し可能な限り実現することで、企業は社会的責任を果たすとともに、自身の事業活動の経済的な持続可能性を確保することができます。

もちろん、初めから100点満点のサプライチェーン構築は実現できません。最もリスクの大きい課題、及び自社のリソース上可能な取り組みに注力しながら、継続的に改善することがサプライチェーンを持続可能にするためには重要です。

GLINの強み

  • 支援・実務経験の豊富なコンサルティングメンバー
    GLINには、あらゆる規模・業種の企業に対して持続可能なサプライチェーン構築の支援実績をもつメンバーがいます。業種横断で重要な国際的規範やフレームワーク(責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンスガイドライン、ISO20400、Responsible Business Alliance等)に準拠しつつ、業種によって異なるサプライチェーンリスクや重要な法規制に対応したサプライチェーン構築支援を提供します。
  • 戦略及びインパクトの視点
    持続可能なサプライチェーン構築とは、リスク低減のみを意味するわけではありません。代替原料の導入、調達先の収斂と多様化、サーキュラリティの向上、ライフサイクルコストを低減する製品設計など、サプライチェーンの競争性を高める戦略的な観点も含みます。従来生み出していた外部不経済を縮小し、新たに外部経済を創出する「インパクト創出」を目指すことでもあります。インパクトを軸にした投資、戦略策定、非財務価値の定量化を強みとするGLINでは、単なるリスク管理を超え、企業価値の持続的な向上を実現するサプライチェーン構築を支援します。
  • 多言語・多文化への対応
    多くの企業が複数地域にまたがる事業拠点やサプライチェーンを持つなか、サプライチェーン管理(デューデリジェンス、ガバナンス等)に必要な社内規程、マニュアル、ツール、広報物等も多言語で対応していくことが求められます。また、特に差別やハラスメントへの対応においては文化の違いにもセンシティブに配慮する必要があります。GLINでは自社及び提携先の外国語ネイティブスピーカーの監修を含め、実効性が高く、さらにサプライチェーンに関わる人々を「誰ひとり取り残さない」、包括的なサプライチェーン管理の仕組み整備を支援いたします。
  • デジタルツール、データ分析の導入支援
    サプライチェーンが地域・商材ともに広範囲にまたがる場合、サプライチェーン管理のDXは負担軽減・実効性向上のために重要です。デジタルツールの導入により、サプライチェーン全体でのリアルタイムな情報共有、データに裏付けられた効率的な意思決定、透明性や情報の蓄積レベルの向上などあらゆるベネフィットが見込まれます。GLINでは提携するシステム開発企業と共にサプライチェーン管理のDX支援を行うことで、制度づくりから現場のオペレーションまで一気通貫した管理体制構築が可能です。


GLINによる持続可能なサプライチェーン構築支援

GLINでは、企業による持続可能なサプライチェーン構築の取り組みを包括的に支援できるようサービスメニューを充実させています。異なるインダストリーにおけるサプライチェーン方針やデューデリジェンスの経験を持つメンバーが、初めてこのテーマに取り組む企業から、既存の取り組みを拡充したい企業まで、ニーズに寄り添って支援いたします。

専門家のご紹介

ディレクター
青木 ユリシーズ

国際基督教大学在学中に国連グローバルコンパクト(UNGC)の日中韓会議に日本代表として参画。卒業後、EYのサステナビリティコンサルティング事業立ち上げに携わり、日本のリーディングカンパニー多数のマテリアリティ策定やサステナビリティ戦略、ビジョン策定支援を実施。その後PwCにて人権・サプライチェーンサービスの立ち上げに従事。
 2021年よりSpiber Inc.のサステナビリティと長期戦略を統括し、同企業初のインパクトレポートを策定。その後、GLIN Impact Capital参画。国連機関、NGO、金融庁等の政府機関における講師・講演を多数経験。