GLIN Impact Capitalはインパクト/ESG投資投資ファンドとして活動をしつつ、インパクト/ESG要素を組み込んだ企業経営・変革支援のコンサルティング・アドバイザリー事業も行っています。インパクト/ESG投資ファンドとしては昨年ファイナルクローズを行い、コンサルティングチームのメンバーも増え始め、活動が本格化してきています。
GLINがなぜインパクト投資とコンサルティングの二事業部制で活動を展開しているのか、今回は改めてその背景、意義、対応についてご紹介します。
1. GLINのミッション達成のために
GLINのミッションは「より持続可能な資本主義の構築」、「経済成長と共に自律的に社会課題が解決される社会の実現」であり、すべての事業活動・金融活動が外部経済性や持続可能性を組み込んで成長を追及する経済社会を実現したいと考えています。
このミッションに基づき、2020年創業準備時から、経済と社会のあり方をアップデートするには先ず金融業界・資本家がアップデートされることが重要と考え、その新たなモデル・プラクティスを実践者として開拓・実践するために投資活動(インパクト/ESG投資投資)を開始しました。一方、そのような投資活動を行う中で、投資家や資本家が変わっても、企業(経営)のあり方が必ずしも変わるわけではない側面も見え始めました。「投資家に言われるが、実際にどう変われば良いか分からない」「変革は必要と考えるけど、それを出来る人が足りない」といった経営者の声を多く伺いました。そのような気づきの中で、GLINのミッションを達成するためには、金融の新しいモデルを模索し実例作りに挑戦する投資事業に加えて、企業経営の新しいモデルへの変革支援を伴走する事業が必要だと感じました。そのような背景から、コンサルティング・アドバイザリー事業を2022年に立ち上げ、新しい金融と経営のあり方を追及し、事例を積み重ね、よりサステナブルな経済社会の発展への貢献を目指しています。
2. より具体的な投資サイドとコンサルティングサイドの活動意義
①投資サイドの活動意義
世の中の多くの経営者が「会社は株主・投資家のもの」「株価を気にして経営している」と言います。
経済と社会のあり方をアップデートするためには、投資家や金融機関がどのように企業を評価・判断し、どのように投資家自身も成功/失敗を評価するのかという部分をアップデートする必要があると考えています。GLINは一投資家として、その実務の具体的な新しい方法を開拓するという意図のもと投資事業を行っています。
この新しい方法とは、インパクト/ESG投資に代表されるように、成長を追求するとともに外部経済性や持続可能性を組み込んだ評価と判断のことです。言うは易し、行うは難し、世界中の経営者・投資家・アカデミアが試行錯誤を繰り返して、その中で何が最も適した方法なのかを未だに探っている段階です。
そのような中で、一つの触媒的な存在として、新たな事例・実務を積み重ね、より良いモデルを進化させていくことがGLINの役割だと考えています。そのトライアンドエラーの繰り返しを経て、より良い手法が世界のスタンダードとして形成され始める段階では、新たな法整備や行政のサポートも加わりより大きな動きになっていくと考えています。
②コンサルティングサイドの活動意義
投資家・金融が企業評価の枠組みを提案するとすれば、企業経営はそれを実行していく立場とも言えます。コンサルティングサイドでは、実際に企業がどう変革し、それを実行していくのかという「How」の部分に注力し、新しい時代の企業経営の変革を伴走支援します。
これからの企業経営には、成長の追求に加えて、外部経済性の組み込み、持続可能性の追求、といったより難しいチャレンジが必要とされていきます。そのような中で、どのように経営戦略を策定するべきか、新しい成長・事業を作っていくべきか、事業評価と経営判断を行っていくべきか、ステークホルダーとコミュニケーションしていくべきか。方針を策定し実行していくことが求められています。その変革を伴走し支援していくことがコンサルティングの活動意義と考えています。また、新しい企業経営の試行錯誤の中で得られる実務に基づいたインサイトやフィードバックを、投資事業が行う枠組み作りにも活かすことができると考えています。
3. GLIN自身に求められる組織体制やガバナンス
一方で、GLINという組織でこの二つの事業を行うことにより、場合によっては利益相反、情報漏洩のリスクや専任義務等に対応する組織体制やガバナンスを強化する必要性も生じます。そのようなリスクや問題に適切に対処しまた回避するため、複数の専門家に相談をしながら、十分な体制の構築やルール設定により社内のマネジメントを行っています。
まとめ
二事業部制による二つのアプローチポイントを持ちながら金融と企業経営のアップデートに貢献していくこと、その二事業部を行うからこそ得られるインサイトやシナジーこそがGLINの強みやユニークさだと日々強く感じています。
組織の仕組みと個人個人の高い倫理観が求められる事業体制であるとも言えますが、ミッションを力強く実現していくため、今後もGLINとしては両事業の拡大を目指し、経済と社会のより良い発展に貢献して参りたいと考えています。