GLINのミッションについて

GLIN Impact Capitalとしてブログ(オウンドメディア)を始めることとなりました!今後定期的に幾つかのジャンルでインサイトのある記事を配信して参りたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。記事の内容や方向性など、みなさまのフィードバックに合わせて調整して参りたいと思いますので、ぜひご遠慮なくお問合せフォームからフィードバックを頂けましたら幸いです。

さて、今回が最初の投稿になりますので、簡単にGLIN Impact Capitalについて、ホームページに書いてあることよりも少し深くご紹介をさせて頂きます。

GLIN Impact Capitalは、日本と世界におけるインパクト投資とインパクトスタートアップの発展にキャリアをかけて貢献したいと考え団結し2020年に創業したチームです。

よりハイレベルに概念的なミッションをお伝えしますと、「より良い資本主義の構築」すなわち私たちにとっては「経済成長と共に自律的に社会課題が解決される社会への変遷」に貢献して参りたいと考えています。

この100年で人類は今までの歴史で類を見ないほどの爆発的かつ指数関数的な経済成長を遂げています。現在のGDPは50年前の6-7倍、100年前の20倍以上と言われています。GDPは経済活動の規模を表す数字と考えれば、人類は経済活動をとても急速に爆発的に成長させてきたと考えることが出来ます。

出典:https://ourworldindata.org/grapher/world-gdp-over-the-last-two-millennia

経済活動が爆発的に急速に大きくなる中、人類が暮らす地球の環境、我々の社会そのものに様々な問題が発生・拡大してきています。

例えば気候変動・温暖化問題。多くの方には見慣れた図かもしれませんが、1900年ごろから状況が急変し、指数関数的に温暖化が進んでいます。経済活動の成長のグラフととても似た形をしています。

出典:http://www.funabashi-kantele.jp/study/earthwarm/co2.html

社会のなかで言えば、所得格差が拡大し、医療格差、教育格差を始めとした様々な格差問題につながっています。フランスの経済学者トマ・ピケティが『21世紀の資本論』で「r>g」という不等式で表したことを意訳すれば「資産を持っている人 はより裕福になり、労働を主として富を得る人は相対的にいつまでも裕福になれない」ことで経済の拡大と共に格差が拡がっています。「富裕者がさらに富裕になり、経済活動が活発化することで低所得の貧困者にも富が浸透し、利益が再分配される」とするトリクルダウン理論が起きなかったとした岸田首相の発言も記憶に新しいです。人種・男女格差も、既得権益層による成功体験の踏襲や偏見により埋まらない状態が続いていました。

出典:トマピケティ著 21世紀の資本論 https://pepera.jp/diary/piketty_le_capital/

経済活動の急速な発展のように、何かが急に大きくなったとき、それに伴って問題が生じ大きくなっていくことはある意味では当然のことかもしれません。稲盛和夫氏は、SDGs、ESGといった用語が存在しなかった時代に、梅原猛氏との共著の中で「地球とか宇宙というものの容量が大きいために、被害が小さい時期は問題として顕在化しなかった。それをいいことにして、人類はわがままを通してきました。それはあたかも地球というお母さんに甘えて、膝の上で勝手放題やっている子供みたいな気がします」と表現されていました。1900年代のような経済活動の総量が小さかった時代は、経済全体が子供のようなサイズであったために暴れていても大きな問題は起きていませんでした。お母さんと例えられた地球に対してのダメージや、人間社会に対しての影響も限定的であったといえます。しかし現代の経済活動の総量は明らかに子供のサイズでは無くなり、いまも成長の途上にいます。

このような経済活動の爆発的指数関数的な成長の真っ只中に私たちはいるわけですが、経済の根幹である我々の日々の企業活動・金融活動の意思決定や評価の仕方は50年前のノーベル賞経済学者 Milton Friedmanが言い表した下記の考え方からほとんど変わっていません。

“There is one and only one social responsibility of business — to use its resources and engage in activities designed to increase its profits”

“ビジネス(経済活動)のただひとつの目的は利益の最大化である”

経済活動のサイズが子供から大人もしくは巨人の様なサイズになってきている現代において、子供のときと同じような行動原理で活動をしていて良いのでしょうか?

新たな行動原理を模索・構築していく上で、これまで述べた問題意識と同時に私たちが根本的に重要と考えていることがあります。それは、人類の根源的な欲求の一つは自己実現のための成長の追求であり、それに蓋をすることは出来ない、むしろそれを解放させることが人類の幸福と持続的な繁栄に繋がるという考え方です。

その様な考えのもと、私たちは「より良い資本主義の構築」すなわち私たちにとっては「経済成長と共に自律的に社会課題が解決される社会への変遷」に貢献して参りたいと考えています。そしてその変遷のために最も有効な手段の一つが、外部経済性(※)を判断と評価に組み込んだ経済成長の追求、すなわち金融におけるインパクト/ESG投資に代表される手法の発展、および企業活動における外部性を組み込んだ経営判断や評価の発展であると考えています。そしてその先にインパクトスタートアップのような「社会課題を解決するために成長を追求する企業」が繁栄し、「経済成長と共に自律的に社会課題が解決される社会」が実現すると考えています。

(※)外部経済性とは、経済活動の結果、社会に及ぼされる正と負の影響のこと。詳しくはまた別の記事にて取り扱いたいと思います。

このような社会への変遷に貢献するChange agentのような機能を果たすべく、GLIN Impact Capitalは、より良い金融のためのインパクト/ESG投資事業、より良い企業経営のためのコンサルティング・アドバイザリー事業を展開し、新しく意義のある様々なモデルにチャレンジし、事例をエコシステムに共有して参りたいと考えています。

創業3年目の今さらの所信表明のようになってしまい、第一稿にしては長くなり過ぎましたので、それぞれの事業・活動内容の詳細やコンセプトについてまた別の記事をリリースしてまいります。ニュースレターも定期配信いたしますのでぜひご購読ください!引続きぜひよろしくお願いいたします。